ヒラスズキのトリセツ

【保存版】ヒラスズキとは。魚を知り、己を知れば百戦危うからず

ヒラスズキの生態
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ヒラスズキとは

ヒラスズキの生息域

ヒラスズキは黒潮流域の暖流を好む魚です。

黒潮についてはこちら

 

太平洋側では九州南部、紀伊半島、伊豆半島、房総半島が生息域となり、日本海側では九州西部から能登半島あたりまでが主要な生息域となります。

ヒラスズキの主な生息域はこうした海域にある外海に面した海岸です。

 

ヒラスズキとマルスズキについて

マルスズキは内湾を好む魚で、波穏やかな場所を好みますが、ヒラスズキは荒い波が打ち寄せる外海の磯場を好みます。


ヒラスズキとマルスズキは近い親戚であり、その習性や食性も似ていますが、生息域や繁殖時期を変えることによってお互いが競合しないように住み分かれているようです。

ただし、ヒラスズキとマルスズキの住み分けが完全にできているというわけでもなさそうです。
マルスズキもサラシ場で釣れることはありますし、ヒラスズキもベイト次第ではサーフなどで釣れることはあります。

ヒラスズキがサラシに現れる理由とは

 

ヒラスズキは大きくて姿形は立派ですが、こと「獲物を取る」という点では、それは逆に不利な要素となってしまいます。ましてやヒラスズキの住みかは水の澄んだ外海です。ベイトに近づくためには自分の身を隠せる場所が必要になってきます。そのひとつの要素がサラシなのです。

実際、ナイトフィッシングでは事情が変わってきます。サラシは必須条件ではなくなり、夜の闇が捕食者の身を隠してくれるからです。

ヒラスズキは基本的に自分よりも上の層にいるベイトを襲って捕食しますが、波のない海面を泳ぐ小魚を下から見上げてみるとわかるとおり、これがとても見えにくいものなのです。

ところが、ここにサラシができるとどうなるか。サラシが厚いシェードとなって太陽光は遮られて逆光が解消されるため、サラシのなかにいる小魚はただの黒いシルエットとなり、海中から見上げると一目瞭然となるのです。

主に視力を頼りにエサを取っているヒラスズキにとっては、サラシが広がった瞬間はベイトを食うことができる最高のタイミングなのです。

 

ヒラスズキの生態

魚の中には「居つき」と呼ばれる大きな回遊をほとんどしないものと、広範囲を回遊するものがいます。

イシダイでも何年たっても同じ場所を動かない魚と数百キロも移動するものがいることが標識調査でわかっているようです。

おそらくヒラスズキも同様の性質をもっていると思われ、普段は近くに磯などの餌場がある比較的広い海域を回遊しているものと考えられます。紀伊半島では水深60m以上での捕獲例もあるようです。

そして海が荒れて海岸にエサが取りやすい状況ができると、磯のサラシ場に回遊してくるというのが行動パターンであると考えられます。

ヒラスズキは同じポイントで釣れることが多く、ピンポイントで実績場が語られます。

ヒラスズキがいつも同じ場所で釣れるのは、彼らの捕食場所がいくつかの要素によって決まっているからだと考えられます。

そのひとつは常にサラシができる場所であること、そしてサラシの下に身を潜めることができる磯のえぐれやくぼみ、壁がある場所であることです。

この共通項が備わっていればおよそのヒットポイントを予想することができます。


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