スロージギングとは?ジギングとの違いを解説!基礎から学べるスロージギング入門
ジギングは、メタルジグを用いたルアーフィッシングの一つで、船から、メタルジグを直下に落としターゲットを狙う釣りのことを言います。
最近はその手軽さから、ショアからメタルジグをキャストして、魚を狙うショアジギングも人気ですね。
昨今では、ジギングとショアジギングとの違いをはっきりとさせるために、ジギングのことをオフショアジギングと区別することが多くなってきました。
さらに、ここ10年ほどでオフショアジギングのバリエーションのなかにスロージギングと呼ばれるものが誕生し、全国的にブームとなっています。
ここからは、今人気のスロージギングとジギングの違いについて解説していきましょう。
スロージギングとは?ジギングとの違いを解説!!
スロージギングとは (スローピッチジャーク)
スロージギングとは、スローという名前がついているように、基本的には大きくゆっくりとしたアクションがメインとなります。
スロージギング(スローピッチジャーク)の目指すものは
「泳げなくなって漂うサスペンド状態の小魚を、ジグでどう演出するか」
ということに尽きます。
スロージギング・スローピッチジャークとは、ジギングの中の小手先のテクニックなどではなく、
「ジグをより少ないジャーク距離で横に向かせたあとに、フォールを入れて上下の移動幅を抑え、ジグの滞空時間を稼ぐ」
という考えの元、編み出された、れっきとした手法(釣法)なんですね。
釣り人は上記のことを意識してスロージギングに取り組むと、スローピッチジャークの良さを理解しやすいですよ。
なにがどう違う?アクションの違いを解説
ジギング
いわゆるジギングは、激しいアクションが特徴です。
ジギングでは「ワンピッチジャーク」や「ハイピッチジャーク」と呼ばれるアクションが代表的なものになります。
「ハイピッチジャーク」はいったんメタルジグをボトムあるいは目標とするタナまで落としたら、ロッドを激しくジャークしながらリールでラインを迅速に巻き上げる動作を繰り返し行うのが基本的なアクションです。
アタリが無い場合には、この動作を繰り返すのですが、かなり重労働で、慣れるまでは初心者は疲労困憊になってしまうこともあります。
ジギングのアタリは、ロッドをシャクる際にでることが多く、ベイトを後ろから追ってくるターゲットに向いています。
またジギングの場合は、垂直方向の他に、水平方向の釣りも楽しむことができ、船からポイントを探るためにキャスティングする場合もジギングに含まれます。
スロージギング(スローピッチジャーク)
対してスロージギングは、ジギングのような早いアクションは行いません。
基本的には、フォールを中心とした釣りとなり、
ジャークを行う際には、「スローピッチジャーク」といって、ロッドをシャクるというよりも、ロッドの反発力のみでメタルジグを引き上げるアクションをおこないます。
反発力によって上昇したメタルジグは、フォール時に、水中で弱った魚のような動きをします。
メタルジグはボトムに向かってフォールするのですが、メタルジグは水平近くなり、ひらひらと舞うようにフォールし、ターゲットを誘います。
まさに
「泳げなくなって漂うサスペンド状態の小魚」
を演出してやるんですね。
この演出のために、スロージギング専用のメタルジグは、いかにジグが横を向き、滞空時間を長くするかに特化されているんです。
スロージギングの特徴
スロージギングでは、「スローピッチジャーク」・「ロングフォールジャーク」という二つの特徴的なアクションがあります。
スローピッチジャーク
スロージギングの主たるアクションはフォールになります。
スローピッチジャークは、ロッドの反発力を利用して、メタルジグを反射的に動かし、フォールアクションで魚を誘う手法です。
スローピッチジャークの基本操作
- ロッドを海面に対して、水平または水平よりもやや下に構えます。
- ロッドを1ジャークさせる間に、リールを12時の位置から12時の位置まで一回転巻きます。
- ロッドは、メタルジグの抵抗を受け、曲がりますが、ロッドには反発力があるので元の水平状態に戻ります。
- このときロッドの反発力によって、メタルジグは動きますが、もともと水の抵抗を受けやすい形状なので、フォール時に横方向にひらひらと動きます。
※このような操作を繰り返していきますが、リーリングの基本は1ピッチ1ジャークです。
リールの巻き取りと、ロッドの反動によるメタルジグの動きを繰り返すのがスローピッチジャークで、弱ったベイトのような動きでターゲットを誘います。
スローピッチジャークは、ベイトを後ろから追ってくるターゲットではなく、静かにベイトを待ち構えているような魚に比較的向いている釣りの手法と言えます。
ジギングとの違いは、スロージギングの場合は完全に垂直方向の釣りとなるので、キャスティングを行うことはほとんどありません。
ロングフォールジャーク
「ロングフォール」「ロングフォールジャーク」と呼ばれるアクションは、ロッドを大きくシャクッたあとに、リールは巻かずに、ジグをフリーでフォールさせる方法で、メタルジグは長い間、ひらひらと舞うようにフォールしていきます。
またメタルジグの形状も舞うようなフォールを演出する形状となっています。
ロングフォールジャークの基本操作
- ロッドを真上(90°)に引き上げる
- ジグの沈下速度よりも速く、ロッドティップを水面まで下げ「ジグをフリーでフォールさせる」
アクションはこの2点だけで、あとはひたすらこの動作を繰り返すのみです(笑)
ロングフォールジャークでは、ロッドの全長分、引き上げたジグをロッドを素早く水面まで下げることで、ジグをフリーフォール状態にします。
アタリはこのフリーフォール状態の時に出ますので、ラインが止まったり、何か違和感を感じた時点で即アワセしましょう。
フリーにジグを落とすメリット
なぜフリーフォールなのか?
それは、魚は上から落ちてくるものに反応が良いことがわかっており、ロングフォールジャークはこの魚の習性を最大限に利用しているのです。
フォールの際、ラインテンションを付けてしまうと、ジグが不自然な動きをしてしまい、魚に見切られやすくなってしまいますので注意が必要です。
ジグ任せの釣り
ロングフォールジャークは、「ロッドを上げては下ろす、ロッドを上げては下ろす」といったことを繰り返す、シンプルなアクション方法です。
魚への誘いはジグがフォール時に勝手にやってくれるので、ジギングの中でも体力的には一番ラクなアクションと言えるでしょう(笑)
スロージギングは疲れにくい釣り
ジギングに比べて、アクションは、ゆったりなので、疲労感は少なく初心者でも入り込みやすく、体力もあまり必要ないので、おすすめのジギングの一つであり、このことがスロージギング人気の一因となっているところです。
ジギングとスロージギングに適した水深
次にジギングとスロージギングそれぞれに適した水深について解説していきましょう。
スロージギングはゆったりとした動きで魚を誘うのですが、適した水深というものはなく、水深の浅いところから深いところまで楽しむことができます。
反対に、ジギングはあまり水深が深い場所には適していません。
それはなぜか?
水深のあるポイントで、リールからの放出ラインが長くなってくると、ジギングの激しいアクションがメタルジグに伝わりにくくなるからです。
このことから、250m以上の中深海でターゲットを狙いたい場合には、ジギングよりもスロージギングが適しています。
スロージギング・ジギングで釣れる魚とは
スロージギングで狙える魚
スローピッチジャークは、メタルジグをフォールさせることで、ターゲットを狙うジギングの手法なので、基本的にはボトム付近の魚を狙うのに向いています。
あえて言うのなら根魚を狙う場合には、スロージギングがおすすめです。
根魚は早く動くことが苦手で、岩陰に潜みながらターゲットを狙っているからです。
アカムツやクロムツ、キンメなどの根魚などには、スロージギングでひらひらと舞うジグは好物のベイトに見えるでしょう。
ジギングで狙える魚
ジギングは、メタルジグを上に向かって引き上げることで、ターゲットを誘う釣りです。
このようなアクションをする釣りの場合には、ヒラマサなど青物を中心として、タチウオ、イサキ、マダイなど比較的動きが早く、ベイトを追い回すタイプの魚種に向いています。
根魚の場合には、ボトムに根付いているので、上に向かってメタルジグを動かすジギングはすぐにボトムから離れてしまい不利です。
ジギングは青物に向いていると言いましたが、青物やタチウオがスロージギングでヒットしないわけではなく、スロージギングのフォールに反応する青物などもいるので、十分釣果を稼ぐことができる場合もありますよ。
おわりに
今回は、スロージギングについて細かく説明してきました。
この記事を書いていても感じたのですが、スロージギングって細かい部分が多くて、なんとなく小難しいイメージを抱いてしまいますよね(笑)
なので最後に一言綴らせてください。
難しく考えないでも「ホントに多彩な魚がよく釣れる!!」
それが「スロージギング最大の強みです」
臆せずスロージギングにチャレンジしてみてくださいね!
きっとすぐに何かしらの魚が反応してくれるはずです(笑)
基礎から学べるスロージギング②
次回のテーマはスロージギング専用タックルについてです。
「スローピッチジャーク」や「ロングフォールジャーク」は、ジギングのタックルを流用することも強いて言えば可能ですが、そもそもジギングとスロージギングでは概念(目指すもの・考え方)が違い、使用タックルの性質も異なっているので、併用はオススメできません。
次の記事ではスロージギング専用タックルについて考えていきますので、道具選びの参考にして頂けると幸いです。